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非日常を求めて「陶 中村展示室」で心が整う陶芸体験を!

「忙しい日々だからこそ、心を整える時間と暮らしにゆとりを感じたい!」そんな疲れた心もリフレッシュできるような、ちょっとした非日常を求めたモッシェド編集部スタッフが、念願の「陶 中村展示室」での陶芸教室を体験!不器用ながらも土と向き合った体験レポート!

March 9, 2026

ふとした日常のなかで、「時間を忘れて好きなことに没頭したい」「自分の手で、なにかを作ってみたい」――そんな気持ちが湧いてくることはありませんか?

日々の忙しさに追われるなかで、“自分のための時間”を求めている人にとって、今回ご紹介する「陶芸」ちょっとした非日常を味わい、心を整える体験になるかもしれません。

今回は、私がずっとやってみたかった!念願の陶芸体験へ。

不器用ながらも土と向き合い、想いを込めて作品を形にしていく過程を、笑いあり・苦戦ありでリアルにお届けします!

「日々の暮らしのなかに、こんなゆとりがあったらいいな」――そんな気持ちが芽生える記事になったらうれしいです。

わたしが惹かれる「手仕事な器たち」の魅力

仕事でもプライベートでも、新しくオープンしたお店や人気店のチェックは欠かせません。色々なお店を訪れるたびに、その店ならではのコンセプトを知り、また素材や製法へのこだわりに触れては、心がときめきます。

そんななかで気づいたのが、「素敵なお店は料理だけでなく、器にもこだわっている」ということ。

芸術家であり、料理にも造詣が深い北大路魯山人は「うつわは料理のきもの」という有名な言葉を残しています。

「器は料理を供すのに欠かせないものである。料理の味や香り、盛り付けなどを引き立てる。器は、料理の魅力を引き出し鮮やかに彩る服のようなものである。」

その言葉の通り、器には、洗練された雰囲気で料理を華やかに演出するものや、一見素朴ながらも確かな存在感で料理を引き立てるものなど、実にさまざまな魅力があります。似た形や色合いはあっても、世界に二つと同じものは存在しない。それこそが、手仕事ならではの贅沢な魅力なのです。

大量生産品とは異なる存在感を放つ一点ものの器。

見かけるたびに、「この器はどんな人が、どんな思いで作っているのだろう?」「この表情、楽しげでいいな」――そんなふうに、自然と陶芸への関心が高まっていきました。

ふと、夢中になっていた自分を思い出す

わたしは子どものころから、手を動かしてなにかを作るのが大好きでした。小・中学生の頃は新聞紙や紙粘土で食品サンプルを作り、高校では石膏粘土や木材での造形や、キャンバスに立体的な絵を描く日々。専門学生になっても、ひたすら「何かを作ること」に夢中でした。

古代の遺物や美術品にも興味があり、観賞や収集に熱中していた時期もあります。しかし社会人になり、多忙な日々に追われるなかで、創作や好きなことに没頭する時間は次第に減ってしまいました。

仕事の合間にこっそり描いた「作りたい器」のイメージ。上記みたいに、器を作りたい気持ちが膨らんでいるような表現にしたい

陶芸への関心が高まるにつれ、「自分の手で、自分だけの何かを作りたい」という気持ちが再燃。気づけばノートに、作ってみたい器のイラストを夢中で描いていました。

描きながら、器の形や色のイメージ、「こんなときに使いたいな」というシチュエーションまで思い浮かびます。「これはもう、作るしかない!」と思い立ち、思い立ったらすぐ行動するタイプの私。「何事もまずやってみる」をモットーに、以前から気になっていた陶芸体験教室への参加を決めました。

‍大きな「中村屋」の文字が目印!

憧れの「陶 中村展示室」さんへ

鶴岡市大山、バス通り沿いの中村屋菓子店内にある「陶 中村展示室」。

ここは、陶芸作家・中村秀和さんと知美さんご夫妻のギャラリー兼お店です。

はじめて陶 中村展示室の器に出会ったのは、家族で訪れたレストラン。料理の美しさもさることながら、器の佇まいに心を奪われました。

店内の様子

淑やかでありながら、どんな料理にも自然になじむ造形と色合い。奥行きのある世界観、見ていても飽きない表現力。その魅力に惹かれたのを覚えています。何より、器の生き生きとした表情からは、お二人が楽しみながら作陶されている様子が伝わってきます。言葉ではうまく言い表せないけれど、釉薬の塗り方や形に独自の特徴があり、他の器と並んでいても「これは中村展示室の作品だ」とわかってしまうほど。

そんなお二人の作品作りに欠かせない工房は、ギャラリーとは別の場所にあり、そこにはまだ日を浴びぬ作品たちがずらり。

私には全て輝いて見えます!

さまざまな形のお椀や花瓶、小鉢、お皿など。作品の中には試行錯誤をしている作品なども。普段は目にすることのできない景色に見惚れるほど、私の目には、どの作品もキラキラと輝いて見えました。

そしていよいよ、念願の陶芸教室へ!

陶 中村の工房では、工房の一角を使用して時折「陶芸教室」が開かれているそう。

「あらかじめ決まった形のものを作るのではなくて、カップだったりお皿だったりと、それぞれ自分が作りたいものに取り組んでもらっています。だから、教室というよりも、ちょっと居心地の良い場所に来たと感じてもらえたらいいなと思っています」と話してくださったのは、今回ご指導いただく陶芸作家の中村知美さん。

陶芸作家・中村知美さん

コースは「手びねり」「ロクロ」のどちらかが選べ、構想段階ではろくろでお皿を作ろうと考えていましたが、経験は小・中学生の頃に数回触れた程度。そのため、初めての方でも簡単にできるという「手びねり」で、マグカップを作ることにしました。

陶土には色々な種類の土がありますが、今回は初心者でも扱いやすい白土を使います。白土は一般的によく使われている陶土の1つで、どんな形でも成形しやすく、器や置物など、さまざまな用途で使われます。また、焼成前だとグレーがかった色味ですが、焼成後には白っぽくなるのが特徴です。

白土粘土
ハンバーグを作る時のように空気を抜きます

陶芸の主な工程としては「成形→削り→乾燥→素焼き→釉掛け→本焼き」の順に行われます。この体験でできる工程は、成形と釉薬選びです。

はじめに、成形前に陶土に空気が入らないようしっかりと練ります。空気が残っている状態だと、焼きの工程の際に陶土が膨張して爆発する可能性があるため、念入りに空気を押し出します。

いざ、考えていたものを作ろうと思ったものの、子供の頃は何も考えずに作りたいものを自由に作れていたのですが、今となっては形作りにすら悩みます。

そんな時「自由にやりましょう!」と言う知美さん。「見本や描いたものがあっても、形どおりに作るのは難しいです。そこを最初からやろうとすると苦しくなってしまうので、自由にやりましょう!」

知美さんに鼓舞され、会話を楽しみながら、さっそく成形前の土の質感を感じてみることに。

「どんな形にしようか」「どんなものをつくろうか」と想いながら土にふれると、土のつるっとしたなめらかさと特有のひんやりとした感触が、パン生地のようで、不思議と愛らしくみえ、自然と癒やされます。

そこからは、成形前のまるみを帯びた形から「手に馴染むようなモノを作りたい」と思い、想像したのはココナッツ。

マグカップを使用したときの用途として、お茶やスープだけでなくちょっとしたスイーツも盛り付けたいと考え、お椀のような形だけど、パカッと割れた時の、あの無骨でいびつなココナッツの質感をイメージして、マグカップを成形していきます。

‍マグカップの土台を形成

粘土は乾燥や焼成で、サシの入った高級なお肉ぐらい縮むので、器の厚さはなるべく均一に。完成した器のサイズを想像しながら、ひとまわり大きく作るのがおすすめです。

また、私が作っているのはマグカップなので、土台の上に縁として形になるよう、粘土を重ねて高さを出していきます。繋ぎ目から割れないよう、指で滑らかにしながら整えます。最後はマグカップの取手を作るのみ。

しばらく形成を進めてある程度カップに高さと厚みができたところで、割れたココナッツの形になるよう、カップ全体を自分のイメージに合うよう歪ませます。上から見ると「ちょっと歪すぎたかな?」と思いつつも、理想としていた形に。「こんな形で大丈夫だろうか」、少し不安に思いながら形成と模様づけをしていた私。

「いいのよっ、これでいいのよ!それも石澤さんらしさなんだから」と知美さん。

「私も生徒さんがなにを求めているのかを想像しながら教えていますが、それぞれ作り方も作る作品も全然違いますよね。だから「これでいいのよ!」ってのびのび作ってもらうのが一番なのかなと思っています」

知美さんが開く陶芸教室では、生徒さんが伸び伸びと自由にできるよう、そして知美さん自身が参加者の方としっかりコミュニケーションを取りながら行っています。生徒さん自身が自分の手で求めるものを作れ、それを導けるよう少人数制で行っているのです。

そんな知美さんのサポートにより、最初は成形に苦戦しつつも次第に形づいていき、ついにマグカップが完成しました!

荒い布の網目模様がつけにくかったですが、全体的な形も縁の仕上がりも良さそうな雰囲気。ここからの釉薬のかけ具合いと焼き上がりが楽しみです!

成形が終わったマグカップ
ちょっと高野豆腐のような網目模様

そして工程も大詰め。最後はマグカップに合う「釉薬」選びです。

陶芸体験で使用している釉薬の種類は4つ。藁の灰から作られる雪のような白さが特色の「白萩」から、鉄を元にして作られた褐色が特徴の「鉄黄釉」。くすんだ黄色でラ・フランスの木の枝を灰にして作った「ラ・フランス」、酸化コバルトの深い紺色が美しい「瑠璃」

今回は、割れたココナッツをイメージしたマグカップを作ったので、色が似ている焦茶色の「鉄黄釉」にしました。

手前から1番目「白萩」で2番目が「鉄黄釉」、3番目「ラ・フランス」。そして一番奥が「瑠璃」

釉薬選びも終わり、出来上がりを楽しみに待ちながら体験の方は終了です。

陶芸体験の内容はここまでになりますが、この後は「削り→乾燥→素焼き→釉掛け→本焼き」の工程があります。普段は見られない「釉掛け」と「窯」を知美さんのご厚意で特別にお見せいただけることになりましたので、焼き上がった器とともにご紹介します!

陶芸作家の中村知美さんの陶芸にかける想いをお聞きしました。

この記事を書いたヒト
エンドウ ジュン
ライター/カメラ:酒田在住。
庄内の美味しい食べ物をこよなく愛しています。
故にダイエット中ですが結果は出ていません。
この記事を書いたヒト
石澤 マナカ
デザイナー/ライター:純度100%の鶴岡市民
「何事も見て・やってみる」がモットーです。
民芸品や立体造形に興味があります。
この記事を書いたヒト
長澤 久美
ライター:酒田在住の一児の母、子育て奮闘中
大食いなのでいろんなお店へ通っています。
いろんな人の話を聞くのが好きです。
この記事を書いたヒト
庄司 あやの
デザイナー/ライター:生粋の酒田っ子。
食べることが大好きなため食事制限を諦め運動中。
自然と動物に毎日夢中。
この記事を書いたヒト
佐藤 太一
ライター/カメラ:3年前に仙台から移住。
住居の目の前がお墓で夜が少し怖い。
ビジネスホテルでお湯を沸かすのが好き。
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