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鶴岡の焼き鳥居酒屋「ととこ」で 知る人ぞ知るブランド鴨「庄内鴨」を食す!

魅力的な食材がいっぱいの庄内で今、じわじわとファンを増やしているのが「庄内鴨」。孵化から生育まで一貫して手がけている三井農場とその直営店「ととこ」を訪ね、ブランド鴨育成までのストーリーや味わいのヒミツに迫ります!

April 13, 2026

モッシェド編集部、はじめての「鴨しゃぶ」体験

まだ冬の寒さが残っているある晩、モッシェド編集部が「企画会議」という名の飲み会で集まったのは、鶴岡市泉町にある焼き鳥屋の「ととこ」

たまらない組み合わせ

ビールに串焼き、最高である……企画に対する熱い議論を交わしながらも、お酒と料理の美味しさもあって早々にほろ酔いムードに。そんな中で、運ばれてきたのは本日の目玉「鴨しゃぶ鍋」

ととこでは焼き鳥のほかに、庄内でも珍しい鴨肉を使ったメニューを味わえます。これまで鴨南蛮そばくらいでしか食べたことがなかったので、「本当に美味しい鴨肉を食べてみたい!」という探求心(と食欲)が抑えられずに予約していました。

食欲を刺激しまくる鮮やかな赤身…!

「はたしてどんな味なのか…?」

一目で新鮮と分かる赤身の鴨肉を軽く鍋にくぐらせて、まずは一口…

熱々のスープにひたして…
ほんのり良い色に

「うまい!!!!」

ジューシーな肉の旨味と脂のほのかな甘み、その美味しさに思わず顔がほころびます。それに鴨肉と聞いて想像していた「癖」はなく、柔らかいながらもしっかりと歯ごたえがあり、噛むほどに旨味が広がります。

鴨と相性バツグンのねぎもたっぷり!
至福の組み合わせです…!

ねぎを添えて食べれば、辛味が鴨肉のコクと甘みをぐっと引きたて「鴨がねぎを背負ってくるって…こういうことなのか…!」と、ことわざの真の意味を知れたような気持ちに。

まさに、癖がないのにクセになる美味しさ! はじめての鴨しゃぶはそんなおどろきと喜びに満ちた体験となりました。

 

手書きのイラストもかわいい

三井農場が育てるブランド鴨「庄内鴨」

聞けばこの鴨肉、ただの鴨ではなく「庄内鴨」と呼ばれる、地元で育まれたブランド鴨なのだとか。

そんな庄内鴨の美味しさにすっかりとりこになってしまったモッシェド編集部は、さっそく生産者である三井農場の三井朗さんにお話しを聞かせていただくことに。

「庄内鴨」生産者の三井朗さん。

 「庄内鴨はバルバリー種という、フランスで広く育てられている品種になります。他の品種に比べて皮下脂肪が薄く、濃厚でしっかりとした赤身の味わいと上品な脂の香りが特徴ですね」鴨肉特有の臭みも少ないため、鴨をあまり食べたことがない人にも好評なのだとか。

バルバリー種の鴨たち。一般にイメージする鴨よりもスマートな見た目。
鴨はフランス料理には欠かせない食材です。

バルバリー種は日本での流通量が少ないため、あまり食べられる機会のない品種とのこと。ちなみに日本で多く流通し、鴨南蛮そばなどでおもに使われているのはイギリス生まれの「チェリバレー種」 で、こちらは脂質が多く、甘味のある味わいが特徴です。

清潔で広々とした環境で育成。

発祥はフランス、でも鶴岡生まれ・鶴岡育ち

そんなフランス生まれのバルバリー種を、鶴岡に育てるようになったのは朗さんの父親の代から。

「近県の生産者さんと一緒になって鴨の飼育を始めました。うちは代々、鶏の卵を孵化させる仕事をしていましたので、一貫生産できるということでお声がけいただいたようです」

卵からかえすことで、毎回輸入することなく地場で育てられる。はるか遠いフランスの地からやってきたバルバリー種の鴨たちは、試行錯誤のなかで地域に根付いていきます。

環境と飼料にこだわって生育

「成長した鴨が羽を広げて自由に動き回れるくらいの広いスペースで育てています。ストレスの少ない環境なので、エサに抗生物質などの薬剤を入れる必要がないんです。エサは肉質や脂の味わいに大きく影響してくるので、飼料会社さんと協同開発した庄内鴨オリジナルレシピの飼料を使っています」

食育を通じた発信にも積極的に取り組んでいます。

また、鴨のふんを堆肥にして地域の農家さんに使ってもらい、その農家さんが育てた穀物をエサとして与えるといった地域での循環の仕組みにも取り組んでいるそうです。

 

「鴨肉を味わう」という食体験を楽しんでほしい

地域のつながりのなかで育まれている「庄内鴨」ですが、まだまだ認知度は低いと語る朗さん。

「でも、庄内鴨を知っていただくなかでいろんな飲食店さんとつながりが持てるのが今は楽しいですし、やりがいがあります。それに鴨肉を食べる機会が少ない地域だからこそ、『新しい食体験』として庄内鴨の美味しさを伝えていきたいですね」と、これからの目標について力強く話してくれました。

庄内鴨のウインナーなどの通信販売も行っています。

 

庄内鴨を育てる三井朗さんに続き、実際にお店でお客さんに提供している「ととこ」のオーナー・斎藤夏子さんにもお話を聞きました。

 

美味しく食べてもらうところまで見届けたい

ととこのオーナー・斎藤夏子さん

直営店を始めたきっかけを聞くと、「自分たちが丹精込めて育てた鴨を、皆さんが『美味しい!』って食べてくれるところまで見届けたかったんですよね」と夏子さん。お客さんが喜ぶ姿は生産者にとって最高の瞬間なのだと話します。

おしゃれでカジュアルな雰囲気で老若男女問わず人気。

数ある飲食店のなかでも「焼き鳥メインの居酒屋」にしたのは「やっぱり庶民的なお店が好きだし、誰でも気軽に来てほしいんです」という想いから。それに子どもの頃、近くでイベントやお祭りがあるときには、出店に納めるための焼き鳥の串打ちを手伝うこともあったそうです。

鶏肉だけじゃなく鴨肉の焼き鳥も!

「最近は鶏肉を串に刺さないスタイルもありますが、自分は串に刺さっているほうが断然いいじゃんって思いますね(笑)あの一本の長さのなかで作り上げる世界観があるんですよ」と串焼きにかける熱意もひとしお。子どもの頃、お祭りやイベントの際には出店に納めるための焼き鳥の串打ちを手伝うこともあったそうで、そのときのワクワク感を今でも覚えていると言います。

そしてもちろん串焼きだけでなく、庄内鴨料理へのこだわりも。餃子やもつ煮など、いろんな料理のバリエーションでその美味しさを提供しています。

庄内鴨の旨味がみっちりの餃子

「鶏肉だと若鶏が美味しいイメージがありますが、鴨肉は卵を産み終わった親鴨も味わいに深みが出て美味しいんです。もつ煮込みは甘みと濃厚なコクがでますし、親鴨をほぼ丸ごと使った『カモゲッタン』なら庄内鴨の全部位を余すことなく味わえます。ぜひ食べていただきたいですね」

仕込みがあるため要予約の「カモゲッタン」

 コロナ渦に生まれたアイデアは、そのままお店のスタイルに

人気店とのコラボメニューがいっぱい!

そして、ととこといえば人気なのが庄内鴨を使った多彩な創作料理!

スパイシーなハラペーニョのキーマに庄内鴨のひき肉をたっぷり入れた「カモペーニョキーマ」や、

酒蒸しした庄内鴨をピリ辛バンバンジー風に仕上げた「カモバンジー」などなど、名前を聞くだけで楽しくなるようなメニューが目白押しです!

鴨肉の旨味とスパイスがマッチ!カモペーニョキーマ

でも、この個性的なメニューが誕生したきっかけを聞くと、新型コロナウイルスによる自粛要請の影響が大きかったのだと言います。

「コロナの時はお客さんがなかなか外に出られないから、どこの飲食店も大変な状況でした。テイクアウトに力を入れ始めたとき、友達が料理と一緒に配るお店のカードをデザインしてくれたんです。お客さんも喜んで受け取ってくれて、その辺りから今みたいに面白さやキャッチーさを打ち出していくようになりましたね」

すっかり人気メニューとなった「カモパッチョ」は、「りば亭」とのコラボで生まれた一品。

コラボメニューは料理人とのセッション!

地域の飲食店とのつながりが強まっていくなかで、他の飲食店が庄内鴨を使った創作料理を手がける流れも生まれます。

「今までは自分の中でメニューを考えたらそこで完結している感じだったので、コラボした飲食店さんのクリエイティブ力にはびっくりしましたね。こんな料理ができるのかって、『庄内鴨』の可能性が広がっていくのを感じました」

これからも美味しくて面白い「庄内鴨料理」を発信!

今回、朗さんと夏子さんそれぞれにお話を聞かせていただいたことで、生産者と直営店、そして地域の料理人の手によって「庄内鴨のポテンシャル」がどんどん拡大していることが伝わってきました。まだ食べたことがないという方はぜひ、鴨肉ならでは美味しさを体験してみてくださいね!

‍ととこ

住所  :山形県鶴岡市泉町8-25

営業時間:17:00 - 22:00

定休日 :日曜日・月曜日

・メニューやイベントはインスタをチェック!

・「庄内鴨」の通販はコチラから!

この記事を書いたヒト
エンドウ ジュン
ライター/カメラ:酒田在住。
庄内の美味しい食べ物をこよなく愛しています。
故にダイエット中ですが結果は出ていません。
この記事を書いたヒト
石澤 マナカ
デザイナー/ライター:純度100%の鶴岡市民
「何事も見て・やってみる」がモットーです。
民芸品や立体造形に興味があります。
この記事を書いたヒト
長澤 久美
ライター:酒田在住の一児の母、子育て奮闘中
大食いなのでいろんなお店へ通っています。
いろんな人の話を聞くのが好きです。
この記事を書いたヒト
庄司 あやの
デザイナー/ライター:生粋の酒田っ子。
食べることが大好きなため食事制限を諦め運動中。
自然と動物に毎日夢中。
この記事を書いたヒト
佐藤 太一
ライター/カメラ:3年前に仙台から移住。
住居の目の前がお墓で夜が少し怖い。
ビジネスホテルでお湯を沸かすのが好き。
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