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Bakery Directには、ここでしか出会えないパンがいっぱい!

酒田駅東にある「Bakery Direct」は、埼玉から移住したご夫婦が始めたベーカリー。お店には、ここでしか出会えない個性豊かなパンが並びます。パン作りのこだわりや、新しいパンのインスピレーションについてお話を聞きました

September 22, 2025

「演出」の名を持つベーカリー

「庄内の美味しいパンをご紹介!」記事でも、独創的なパンが注目を集めた「Bakery Direct(ベーカリー ディレクト)」

店名の「Direct」は「演出する」、「指揮する」といった意味を持ち、そこにはオーナーである森さんのパンを通じて新しい価値観を演出したいという想いが込められています。

黒い屋根に白い壁というシックな外観。
続々とパンが並べられていく様子に、心もワクワク!
焼き立てのパンの香りがお店いっぱいに広がります!

「遊び心」のあるパンで、食卓がちょっと華やかに

まず驚かされたのは「小麦」へのこだわり。パンによる食感や風味の違いを楽しんでもらうために、各地から取り寄せた10種類以上もの品種を使い分けています

この日、店頭に並べられていたパンで、ひときわ目をひいたのが「月山の粉雪クレセント」

三日月型の美しいフォルムに、思わず目が奪われます。
香ばしさともっちり感の絶妙なコントラスト。

このパン使われているのは、地元のパン屋さんにもまだほとんど出回っていないといわれる「月山の粉雪」という小麦粉。月山高原で栽培された「ゆきちから」を石臼挽きで丁寧に粉にすることで、小麦の持つ豊かな香りが堪能できます。

表面はサクサク、中はもっちり。そして三日月の形をしているため、食べるところによって食感の変化が楽しめます。

小麦の持つほのかな甘みを、庄内浜の藻塩がアクセントなって引き立て、シンプルながらも、毎日食べたくなるような癖になる味わい。この一品でパンの持つ奥深さを実感させてくれます。

そして、どのパン屋さんでも人気商品であるクロワッサン。

定番だからこそ、そのお店の特徴が表れてくる商品ですが、このクロワッサンにもBakery Directならではのこだわりが。

くるりと丸まった両端がなんだか可愛らしい。

この「はえぬき湯種のクロワッサンα」は米粉を用いることで、クロワッサンの香ばしさを保ちつつ、もっちりとした食べ応えのある食感に仕上げられています。

米どころ庄内だからこそ、お米の風味や食感をパンにも取り入れた一品です。

まさに一期一会、その日限りの「お試しパン」も

店頭に並べられたパンをながめていると、パンの名札が手書きのものもちらほら。

ジューシーで食欲をそそる一品も。空腹が刺激されます…!

「手書きの名札のパンは限定品とか、例えば『その日の朝に思いついて、とりあえず作ってみた』ってパンもあります。思いつきで出したものが結構人気になったりするんですよ」

スタッフと一緒にアイデアを出し合うことで、その日限りの一品をはじめ、さまざまなバリエーションのパンが日々生まれているそう。

一品一品に込められた創意工夫とインスピレーション、それこそがBakery Directの「持ち味」なのかもしれません。

スイート系のパンも充実し、おやつにもピッタリ!
新しいパンにはついついトングが伸びてしまいます。

慣れない土地でのパン作りには苦労も

オープン前にお時間をいただき、お話を聞かせてもらいました。

オーナーの森さんは埼玉から酒田に移住し、まったく新しい環境でパン作りを始められました。なぜ遠く離れた酒田の地を選んだのか、そのきっかけを聞いてみると、

「いろんな人から聞かれるんですが、理由としては“ここに良い居抜き物件があったから”という一言に尽きるんです」

旅行で来たこともなく、移住してお店を始めるにあたって初めて酒田に訪れたのだそう。

「もちろん不安もあったんですけど、見ず知らずの場所で1からチャレンジするのも面白いかなって思いましたね」と話します。

しかし、パンは季節や天候によって仕上がりに大きく影響が出る繊細なもの。パン作りには慣れない土地だからこその大変さもあったそうです。

「酒田に来たばかりの頃は、パンを上手く仕上げるのがものすごく大変でしたね。例えば、庄内地方は水の硬度が関東に比べて軟水なのですが、軟水だと生地がべたついたり、うまく膨らまなかったりすることもあるので、その調整に苦労しました」

そして、雪国だからこその難しさもあるのだとか。

「冬場は寒暖差が大きく、特に雪が降った時の冷え込み方は想像以上でした。酵母や発酵って生き物なので、そこを適切に管理することが大変でしたね。でも、そんな困難があったからこそ、パン職人としてものすごく成長できたと感じています」

せっかく来たからこそ、「新しさ」のあるパンを

開業当時の苦労を経て、2025年6月には2周年を迎えたBakery Direct

今ではこだわりのパンが評判を呼び、市内はもちろんのこと、週末になれば市外や県外からもお客さんが訪れています。

酒田でのパン作りもすっかり慣れ、現在はこれまで作ってきたパンの「アップデート」に力を入れているそうです。

「発酵の時間を18時間から36時間に延ばしたりと、なるべく長い時間をかけてじっくり発酵させることでより小麦の味わいを引き出しています。見た目は今までと同じでも、本当に良いパンを作るための“質”を上げていくことにこだわっていますね」

もちろん、ただ時間をかければ良いというわけではなく、酸味が強くなり過ぎたり、うまく膨らまなかったりというリスクもあるという。

「難しくても、自分たちしかできないようなパン作りを目指したい。関東からせっかく酒田にやってきたので、新しい価値や他にはないようなやり方を模索し続けるのが大事だと思っています」

酒田に来たきっかけは「良い居抜き物件があったから」

しかし、さまざまなや困難や手ごたえを経て、

今では「せっかく酒田に来たのだから」という想いが強くなっていました。

美味しさだけではなく「新しさ」を感じさせてくれるBakery Direct

森さんが手がけるパンに、これからも目が離せません。

この記事を書いたヒト
エンドウ ジュン
ライター/カメラ:酒田在住。
庄内の美味しい食べ物をこよなく愛しています。
故にダイエット中ですが結果は出ていません。
この記事を書いたヒト
石澤 マナカ
デザイナー/ライター:純度100%の鶴岡市民
「何事も見て・やってみる」がモットーです。
民芸品や立体造形に興味があります。
この記事を書いたヒト
長澤 久美
ライター:酒田在住の一児の母、子育て奮闘中
大食いなのでいろんなお店へ通っています。
いろんな人の話を聞くのが好きです。
この記事を書いたヒト
庄司 あやの
デザイナー/ライター:生粋の酒田っ子。
食べることが大好きなため食事制限を諦め運動中。
自然と動物に毎日夢中。
この記事を書いたヒト
佐藤 太一
ライター/カメラ:3年前に仙台から移住。
住居の目の前がお墓で夜が少し怖い。
ビジネスホテルでお湯を沸かすのが好き。
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